文法が完璧にできていたとしても、発音が正しくなければ、あなたが伝えようとしていることは理解してもらえず、異なった意味になる場合もあります。
要点① リンキング
ネイティブ(英語を母国語とする人)が英語を話す時、単語と単語をつないで発音します。
たとえば、 ” Take a look at it ! ” あれを見て!
これを日本人が発音すると 「テイク ア ルック アット イット」 となります。ところが、ネイティブが話すと 「テカルッカリ」 となります。
これは、早口で発音しているからこう聞こえるのではありません。このように発音しているのです。Take a は完全に一体化し、” look at it ” も一体化します。
英語は、通常このように単語をつなぎながら発音します。
これは、一つ一つの単語をはっきりと発音しながら話す日本人にとって、とてもやっかいです。
要点② あいまい母音
あいまい母音とは、「e を逆さまにした発音記号」です。
単語のなかで、アクセントのない音節があいまい母音であることが多いようです。たとえば、”about” の ”a” は「あいまい母音」。この「あいまい母音」をどう発音すればいいのかは問題ではありません。会話の中では 「アバウト」 ではなく、「バウ」 と聞こえます。
リスニングのトレーニングにしても、発音のトレーニングにしても、ネイティブスピーカーが発音するとおりに、頭にインプットすることが重要です。
”about”を、いつまでも「アバウト」と認識していると、いつまでもリスニング能力は向上しないと考えた方がよいと思います。
このように、英語の発音のなかには、とても弱くあいまいに発音する母音が含まれていて、私たちの意識とは異なる音で耳に入ってきます。慣れてしまえば、そう難しいことではありませんが、特に入門レベル、初級レベルの人がリスニング能力を伸ばすうえで、避けて通れないポイントです。
要点③ 混合発音と変化
英語の発音のなかには、つづりと異なる発音をするものがあります。
それは、リンキング(単語の連結)のときに必ずといっていいほど耳にします。
たとえば、 ”Did you enjoy the movie?” 「映画はおもしろかった?」
この”Did you” は、 「ディド ユー」 ではなく 「ディジュー」 と発音しますね。さらに、よく聞くところで、”Can't you ~” は、 「キャンチュー」 です。
このように、最後に ”d” や ”t” がくる単語と、はじめに ”y” のくる単語がつながると、音が変化します。
このような、発音をしっかり意識して学習しておくと、実際のリスニングで聞きやすくなります。
要点④ 発音しない音
英語には、やっかいなことに発音しない音もあります。
発音しないのに 「音」 と言うのも変ですが、実際にはまったく聞こえない発音があります。この 「発音しない音」、もっとも頻発するのが ”t” と ”h” です。
代表的なものは、 ”t” が最後に来る単語。 ”night” や ”pet” です。
これらは、「ナイ」 「ペッ」 と発音されます。
この、「発音しない音」 があることも、しっかり頭にいれたうえで、リスニング学習に取り組むと、効率アップの助けになると思います。
要点⑤ イントネーション
言葉の発声における日本語と英語の違いは、発音だけではありません。
それは、イントネーション(抑揚)です。
日本語では、ほとんどイントネーションをつけずに言葉を話すのに対し、英語では、文章の一部を極めて強く、そのほかの部分を弱く話します。
たとえば、 ” What are you doing ? ” はどうでしょう?
「ホワット アー ユー ドーイング」 ではなく、 「ワリユードゥーイン」 と聞こえます。
このイントネーション(抑揚)は、ネイティブが話すとき、全ての表現に使われます。短い文も、長い分も、必ず強いイントネーションとともに、発音されますので、普段から聞く、話す、読むときに意識してイントネーションになれる努力をおすすめします。
最終更新日:2017/2/6
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